この理由のひとつとして、ペンスキャナは手でスキャンしているのに対してCCDスキャナやレーザスキャナは電子的あるいは機械的にスキャンしているためということがあります。しかし、これが答えとは断言しきれません。同じCCDスキャナやレーザスキャナ方式の中でも、読取率に大きな差が出ているからです。
読取率とは、何回のスキャンで読取りができるかの確率を意味しています。
しかし、このスキャン回数はペンスキャナの場合と、CCDスキャナやレーザスキャナの場合とでは少々異なっていて、ペンスキャナの読取率20%は5回のスキャン(5回バーコードをなぞる)に1回の割合で読取るということになっています。この読取率では誰も使用しませんね。
ところが同じ5回のスキャンに1回の割合で読取るCCDスキャナでは、走査速度が50スキャン/秒(ペンスキャナで言うと1秒間に50回バーコードをなぞっていることと同義)であれば僅か0.1秒で読取ることになり、このスキャナは1回のスキャンの読取率が 低くても総合的な読取率は高くなるので、CCDスキャナやレーザスキャナの読取率が高いのは、走査速度が高いからということになります。
しかし、走査速度をいくら高くしても、結果的に読めないこともあります。
これは、バーコードシンボルの品質が極めて悪く、ファースト・リード・レート(FRR)が 10%以下の場合であるときになります。
ファースト・リード・レートとは、最初のスキャンで読取れる確率のことで、これが低いと何度スキャンしても完全な読取りができません。
補足:スキャン回数と読取率の関係は第1図のようになっており、これによると10回のスキャンで読取りが出来ないバーコードシンボルは、100%の読取率になっていません。したがって、バーコードを10回以上スキャンする意味はあまりないということになります。
出典:知っておきたいバーコード・二次元コードの知識(第5版)
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